フロアコーティングの耐水性試験とは?JIS規格の試験条件と結果の読み方
耐水性試験について、正確な情報を知りたい方へ。フロアコーティングの「耐水性」は、言葉だけでは、どのような条件でどの程度の性能が確認されたのかが分からない。本記事では、JIS K 5600-6-1:2016に準ずる耐水性試験の仕組みと、株式会社M&Mの製品の試験結果、試験書で確認したいポイントを解説する。
この記事でわかること
- フロアコーティングの耐水性を確認する理由と水濡れによるダメージ
- JIS K 5600-6-1:2016の試験方法・評価項目の正しい読み方
- 株式会社M&Mの6製品の試験結果
- 試験書で確認したいポイント
- 業者選びで確認したい3つのチェックポイント
耐水性試験の前に知りたいフロアコーティングの「耐水性」

フロアコーティングの耐水性とは、塗膜が水に接したときに、膨れや剥がれなどが起きにくいかどうかを示す性質だ。試験の条件と結果を知っておくと、業者の説明を比べやすくなる。
水濡れがフローリングに与える3つのダメージ
キッチンの水はね、ペットのお粗相、子どもが飲み物をこぼす場面。日常生活の中でフローリングが水に触れる機会は思いのほか多い。
耐水性が不十分なコーティング、またはコーティングが施工されていないフローリングは、以下の3種類のダメージを受けやすい。
- シミ・変色:水分が染み込み、床材の色が変化する
- 膨張・反り:木材が水分を吸収して変形する
- カビ・腐食:水分が長期間残留し、下地材まで劣化が及ぶ
特にフローリングの継ぎ目から水が入り込んだ場合、下地が傷んで補修が必要になることもある。水をこぼしたら、早めに拭き取ることが大切だ。
「耐水性が高い」という言葉だけでは判断できない理由
「耐水性が高い」という表現だけでは、どのような条件で、どの程度の性能が確認されたのかが分からない。
耐水性を客観的に確認するには、第三者機関の試験書が判断材料になる。言葉だけでなく、試験の条件と結果も確認しよう。
耐水性試験の規格|JIS K 5600-6-1:2016とは

株式会社M&Mの製品の耐水性の試験は、JIS K 5600-6-1:2016に準じて行われている。規格の概要を知っておくと、試験書を読みやすくなる。
耐水性試験の概要と試験条件
JIS K 5600-6-1:2016は、「塗料一般試験方法-第6部:塗膜の化学的性質-第1節:耐液体性(一般的方法)」を規定したJIS規格だ。塗膜が水などの液体に接したときの変化を調べる方法を定めている。
株式会社M&Mの製品の試験条件は、以下の通りだ(試験は一般財団法人 日本塗料検査協会が実施)。
- 試験液:脱イオン水
- 試験温度:80±2℃
- 試験時間:2時間
- 基材:木材(150×70mm)
80±2℃の脱イオン水を用いて2時間試験する条件は、日常の水濡れとは異なる、試験のための条件だ。結果は、同じ条件で試験した製品どうしを比べる目安になる。
耐水性試験で評価される2つの項目(外観・付着性)
試験の後に評価される項目は「外観」と「付着性」の2つだ。
外観評価とは、試験後の塗膜に「膨れ」が生じているかどうかを確認するものだ。試験書には「膨れを認めない」のように記載される。
付着性評価とは、塗膜に切り込みを入れて100のます目をつくり(クロスカット法)、セロハン粘着テープを取り外した直後に残ったます目の数で評価するものだ。100のます目がすべて残った場合は100/100と記載される。
「一般財団法人 日本塗料検査協会」とは
株式会社M&Mが試験を依頼した機関は、一般財団法人 日本塗料検査協会だ。塗料の試験・検査を行う第三者機関である。
自社試験ではなく、外部の機関による評価である点も、判断材料の一つになる。試験書には、試験機関名・試験方法・結果が記載されている。
株式会社M&Mの6製品の耐水性試験の結果

株式会社M&Mは、6製品について、一般財団法人 日本塗料検査協会にJIS K 5600-6-1:2016に準ずる耐水性試験を依頼している。結果は以下のとおりだ。
コーティングの種類別の耐水性試験の結果一覧
| 製品名 | 外観(膨れ) | 付着性 |
|---|---|---|
| セラミックガラスコーティング | 膨れを認めない | 100/100 |
| Mガラスコーティング | 膨れを認めない | 100/100 |
| Mシリコンコーティング | 膨れを認めない | 100/100 |
| M水性UVフロアコーティング | 膨れを認めない | 100/100 |
| ワンニャンすべらん | 膨れを認めない | 100/100 |
| M水性フロアコーティング | 膨れを認めない | 100/100 |
6製品とも、外観は膨れを認めず、付着性は100/100だった。
付着性100/100・膨れを認めない|結果の読み方
付着性100/100とは、100のます目すべてが、テープを取り外した後も残っていたことを意味する。外観の「膨れを認めない」とあわせて、この試験条件のもとで膨れや剥がれが見られなかったということだ。
ただし、この結果は試験条件のもとでの評価であり、水濡れを放置してよいことを示すものではない。水をこぼしたら、早めに拭き取ることが大切だ。
なお、フロアコーティングの性能評価は耐水性試験に限らない。耐摩耗性などの性能試験の詳細は、フロアコーティング耐摩耗性評価試験の解説記事も参照してほしい。
耐水性試験のエビデンスで業者を比べる

「耐水性が高い」と説明を受けたら、耐水性試験の試験書などのエビデンスも確認しよう。
耐水性試験の試験書で確認したい3点
耐水性について説明を受けるときは、第三者機関による試験の結果を確認できるかが判断材料になる。
試験書では、次の3点を確認しよう。
- 試験規格:JIS K 5600-6-1等の規格番号が明記されているか
- 試験機関名:第三者機関の名称と公印があるか
- 試験結果の数値:外観・付着性の具体的な評価値が記載されているか
株式会社M&Mの試験データは、品質・性能・機能ページで公開している。
試験書を確認できない場合の考え方
試験書を確認できない場合は、どのような条件で性能を確認しているのか、保証の対象と条件はどうなっているのかを質問しておこう。発注前に確認しておくと、施工後に説明と違うと感じたときの判断材料になる。
エビデンス確認時の3つのチェックポイント
業者にエビデンスを確認する際は、以下の3点を見ておこう。
- ①試験規格が明記されているか:JIS規格番号(例:JIS K 5600-6-1:2016)が記載されているか
- ②第三者機関の名称があるか:自社名義でなく、外部の検査機関名と公印が記載されているか
- ③数値が具体的か:「問題なし」などの曖昧な表現ではなく、付着性100/100のような数値が記載されているか
この3点を確認すると、業者ごとの説明を比べやすくなる。コーティングの種類ごとの性能を比べたい場合は、フロアコーティングの種類の比較も参考にしてほしい。
耐水性試験の結果とあわせて知りたい向くケース・向かないケース

フロアコーティングは、どの床にも向くわけではない。施工前に、向くケース・向かないケースを把握しておこう。
水濡れへの備えが特に大切な環境
以下の環境では、水濡れへの備えが特に大切だ。
- キッチンや洗面所など水回りに近いフローリング
- ペット(犬・猫)を飼育している家庭(お粗相・水飲み皿まわりの常時水濡れ)
- 小さな子どものいる家庭(飲み物のこぼしが日常的に起きる環境)
- 梅雨時期に湿度が高くなりやすい立地・構造の住宅
これらの環境では、水をこぼしたら早めに拭き取ることも大切だ。フロアコートプロの保証内容も、施工前に確認しておこう。
施工が難しい床材と保証の対象外となる例
床材や使い方によっては、コーティングが向かない場合や、保証の対象外になる場合がある。
施工が難しい床材
- コルクフローリング:コーティング剤が浸透しすぎる場合がある
- クッションフロア:下地が柔らかく、密着性が低下する場合がある
保証の対象外となる例(詳しい条件は保証書で確認)
- 水濡れを長期間放置したことによる床材の変形・腐食
- 施工後の床材の反りや膨らみ(下地・建物起因の場合)
- 入居後の傷・へこみ・変色(生活起因のもの)
施工前に、床材の種類と状態を確認しておこう。現地調査の際に相談すると、施工の可否やコーティングの種類を判断しやすい。

耐水性試験に関するよくある質問(FAQ)
- 耐水性試験の結果はどうやって確認すればいいですか?
- 第三者機関(一般財団法人 日本塗料検査協会など)が発行した試験結果報告書で確認できる。試験規格(JIS K 5600-6-1:2016など)・機関名・外観と付着性の結果が記載されているかを確認してほしい。
- JIS K 5600-6-1:2016の試験でどんなことがわかりますか?
- 株式会社M&Mの製品の試験では、80±2℃の脱イオン水を用いて2時間試験した後の塗膜の状態を評価している。外観(膨れの有無)と付着性(ます目の残存数)を確認できる。試験条件のもとでの結果であり、日常の水濡れへの耐久性をそのまま示すものではない。
- M&Mの全製品に耐水性試験のエビデンスがありますか?
- セラミックガラスコーティング・Mガラスコーティング・Mシリコンコーティング・M水性UVフロアコーティング・ワンニャンすべらん・M水性フロアコーティングの6製品について、一般財団法人 日本塗料検査協会の試験結果報告書がある。6製品とも、外観は膨れを認めず、付着性は100/100だった。
業者を選ぶ際は、日本ハウスコーティング協会(JHCA)への加盟状況も参考になります。施工保証引継制度などの条件は、協会の案内で確認しましょう。フロアコートプロを運営する株式会社M&Mは建設業許可(東京都知事 許可(般-6)第150596号)を持ち、ISO 9001:2015(認証範囲:フロアーコーティングの施工、ハウスコーティング剤の開発・販売)の品質管理体制で運営しています。JHCA加盟店No.003です。
記事確認者:フロアコートプロ 施工課
最終更新日:2026年9月17日
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