フロアコーティングの耐薬品性試験|JIS規格の試験方法と6製品の結果
耐薬品性試験について知りたい方へ。フロアコーティングは、薬品がこぼれたときに傷まないのか。施工前に気になる点の一つだろう。本記事では、JIS K 5600-6-1に準ずる耐薬品性(耐溶剤性)の試験内容と、業者選びで試験データを確認したい理由、株式会社M&Mの6製品の試験結果を解説する。
この記事でわかること
- 耐薬品性試験の規格(JIS K 5600-6-1)と試験方法
- 第三者機関で試験した6製品の結果と評価のポイント
- 業者選びでの試験データの確認方法
耐薬品性試験とは|フロアコーティングで確認したい3つの理由

耐薬品性試験とは、塗膜が薬品(液体)に接したときに、膨れや剥がれなどが起きないかを調べる試験である。株式会社M&Mの製品は、日本産業規格(JIS)などに準じて、第三者の試験機関で試験している。
耐薬品性が低いとフロアコーティングはこうなる
耐薬品性が不十分な塗膜は、薬品に接すると、次のような変化が起きることがある。
- シミ・変色:薬品が塗膜に浸透し、白化や黄変が発生する
- 軟化・膨れ:塗膜がやわらかくなったり、表面が浮いたりする
- 剥離・密着不良:床材から塗膜が浮き上がり、部分的に剥がれる
- 光沢消失:表面が荒れて、コーティング本来のツヤが失われる
そのため、薬品への耐性は、試験のデータで確認しておきたい性能の一つだ。
日常生活で床に接触する「薬品」の実態
「薬品」と聞くと、一般家庭には無関係に思えるかもしれない。しかし、実際の生活では、床に接する可能性のある液体が多くある。具体的には、以下のようなものだ。
- キッチンの中性洗剤・アルカリ性洗剤・漂白剤
- 除菌用エタノール・消毒用アルコール
- マニキュアの除光液(アセトン)
- ヘアカラー剤・パーマ液(アンモニア系)
- ペットの尿(アンモニア成分を含む)
- 食用酢・醤油・果汁・コーヒー
このように、日常的に床に接する液体の中には、塗膜に影響するものもある。そのため、試験のデータが業者選びの判断材料になる。
試験書で確認できること
性能を客観的に確認するには、第三者の試験機関による試験結果報告書が役立つ。報告書には、依頼番号・試験機関名・報告日・試験規格・試験条件・結果が記載されている。
耐薬品性試験の規格|JIS K 5600-6-1とは

株式会社M&Mの製品の耐薬品性の試験は、JIS K 5600-6-1に準じて行われている。
JIS K 5600-6-1の正式名称と位置づけ
JIS K 5600-6-1の正式名称は「塗料一般試験方法-第6部:塗膜の化学的性質-第1節:耐液体性(一般的方法)」である。試験書に記載されているのは2016年版で、塗膜が液体に接したときの変化を調べる試験方法を定めている。
試験規格の番号と試験方法を確認する
試験書では、試験規格の番号(JIS K 5600-6-1など)と、どの試験方法に準じたかを確認しよう。同じ規格でも、試験方法や試験液、試験時間によって結果の意味が変わる。
第三者の試験機関|日本塗料検査協会
試験は、第三者の試験機関で行われているかも確認したい。株式会社M&Mが試験を依頼しているのは、一般財団法人 日本塗料検査協会だ。塗料の試験・検査を行う第三者機関である。
耐薬品性試験の方法と評価項目

JIS K 5600-6-1には、試験液に浸す方法や、試験液を滴下する方法など、複数の試験方法が定められている。
主な試験方法
| 方法 | 概要 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 方法1 | 試験片を試験液に浸す | 液体に浸かった状態での変化を調べる |
| 方法3 点滴法 | 試験液を塗膜に滴下する | 株式会社M&Mの製品の耐溶剤性・耐酸性・耐アルカリ性の試験で採用 |
耐薬品性試験の試験方法は「方法3:点滴法」
住宅の床では、薬品が「こぼれる」「飛び散る」場面が想定される。株式会社M&Mの製品の耐溶剤性の試験は、方法3(点滴法)に準じて行われている。
耐溶剤性の試験条件は、試験温度23±2℃・試験時間10分間・試験液はアセトン/メタノール/トルエンの3種類だ。なお、関連するエビデンスとして、塗膜の密着性を評価するフロアコーティング付着性試験もあわせて確認しておきたい。
評価項目|外観評価と付着性のダブルチェック
点滴法では、試験後の塗膜について2つの観点から評価する。第一に、外観評価として「膨れ」「剥がれ」「軟化」の有無を観察する。第二に、付着性評価として、JIS K 5600-5-6(クロスカット法)に準じて1mm間隔で縦横11本ずつ切り込みを入れ、テープを取り外した直後に残ったます目の数を確認する。
「100/100」は、100のます目がすべて残った状態を示す。
株式会社M&Mの6製品の耐薬品性試験の結果

ここからは、株式会社M&Mの6製品の試験結果を紹介する。いずれも一般財団法人 日本塗料検査協会 東支部の試験結果報告書にもとづく。
耐薬品性試験の結果一覧(耐溶剤性・JIS K 5600-6-1 点滴法)
試験液は、アセトン・メタノール・トルエンの3種類の有機溶剤である。
| コーティング種類 | 外観 (3溶剤共通) | 付着性 (3溶剤共通) | 試験報告日 |
|---|---|---|---|
| セラミックガラスコーティング | 膨れ・剥がれ・軟化を認めない | 100/100 | 2019/1/10 |
| Mガラスコーティング | 膨れ・剥がれ・軟化を認めない | 100/100 | 2019/1/17 |
| Mシリコンコーティング | 膨れ・剥がれ・軟化を認めない | 100/100 | 2019/1/17 |
| ワンニャンすべらん | 膨れ・剥がれ・軟化を認めない | 100/100 | 2023/12/14 |
| M水性UVフロアコーティング | 膨れ・剥がれ・軟化を認めない | 100/100 | 2023/10/16 |
| M水性フロアコーティング | 膨れ・剥がれ・軟化を認めない | 100/100 | 2021/10/21 |
試験液のアセトン・メタノール・トルエンとは
アセトンは除光液に使われることが多い溶剤、メタノールはアルコール系の溶剤、トルエンは塗料用シンナーなどに含まれることがある溶剤である。
付着性100/100が意味すること
付着性100/100は、試験液に接した後も、100のます目がすべて残っていたことを示す。この試験条件のもとで、塗膜の付着が保たれていたという結果だ。
耐薬品性試験に加えて行った耐ラビング性試験(ASTM D 4752-03)

点滴法は、試験液を滴下して置く試験だ。実際の生活では、こぼれた液体を拭き取ることもある。株式会社M&Mの製品では、試験液を含ませた布で塗膜を擦る耐ラビング性試験(ASTM D 4752-03に準ずる)も行っている。
試験条件|500gf押し付け・往復10回
耐ラビング性試験の条件は、以下のとおりだ。
- 試験液:アセトン・メタノール・トルエン(点滴法と同じ3種類)
- 拭き取り材:ネルウエス(布)
- 押し付け荷重:4.9N(500gf)
- 往復回数:10回
- 試験温度:23±2℃
6製品とも、3種類の試験液で「膨れ、剥がれ及び軟化を認めない」という結果だった。
2つの試験結果の読み方
点滴法と耐ラビング性試験の結果は、いずれも決められた試験条件のもとでの評価である。薬品の種類や量、放置した時間によっては塗膜が傷むこともあるため、こぼしたら早めに拭き取ろう。
試験の結果は品質・性能・機能のページでも紹介している。施工事例は施工実績(ビフォーアフター写真)のページで確認できる。
失敗しない業者選び|耐薬品性試験のエビデンスの確認方法

フロアコーティングは長く使うものだ。だからこそ、業者選びの段階で試験のエビデンスを確認しておきたい。確認のポイントを解説する。
試験データを確認できないときに分かりにくいこと
試験データを確認できない場合、次のような点が分かりにくくなる。
- 製品の性能:「薬品に強い」という説明の根拠
- 保証の考え方:保証の対象と条件(保証書で確認)
- 不具合の確認:剥がれや変色が起きたときに、比べる基準となるデータ
見積もりの際に確認したい4つのポイント
具体的には、以下の4点を質問してみよう。
- 試験規格番号:JIS K 5600-6-1など、どの規格に準じた試験か
- 試験液の種類:どの液体で試験したか
- 試験機関名:第三者の試験機関で試験しているか
- 試験報告日と依頼番号:報告書に記載されているか
フロアコートプロの試験データと施工品質保証
株式会社M&Mの6製品には、JIS K 5600-6-1(点滴法)に準ずる耐溶剤性試験と、ASTM D 4752-03に準ずる耐ラビング性試験の試験結果報告書がある。施工品質保証は、セラミックガラス・ワンニャンすべらんが30年、シリコン・ガラス・UVが20年、水性ウレタンが10年だ(保証年数は耐用年数ではない)。詳しくはセラミックガラスフロアコーティングおよびワンニャンすべらんフロアコーティングのページで確認してほしい。
耐薬品性試験で確認しきれないこと|向かないケースと保証対象外

耐薬品性試験の結果は判断材料の一つだが、試験で確認できる範囲には限りがある。
施工対応が困難な床材
以下の床材はコーティング剤の特性上、十分な性能を発揮しにくい場合がある。
- コルクフローリング:素材自体が多孔質で、コーティング剤が浸透しすぎる場合がある
- クッションフロア:表面が柔らかく、塗膜の密着性が低下する可能性がある
- 既存ワックスが厚く残っている床:剥離作業が必要で、追加費用がかかる場合がある
そのため、施工前に現地調査で床材と下地の状態を確認し、コーティングの種類を提案する。
試験の条件を超える場合|保証の対象外となる例
耐溶剤性の試験は、試験時間10分・23±2℃の条件で行われている。次のような場合は、試験の条件を超える負荷がかかるため、保証の対象外となる場合がある(詳しい条件は保証書で確認してほしい)。
- 強酸・強アルカリ薬品の長時間放置
- 有機溶剤を高温下で長期間接触させた場合
- 水濡れの長期間放置による床材の変形・腐食
- 下地・建物起因の床材の反りや膨らみ
- 市販メンテナンス剤の使用による塗膜の変質
耐薬品性試験に関するよくある質問
- Q. 耐薬品性試験のデータを公開していない業者は、どう判断すればよいか?
- 公開していないからといって、信頼できないとは限らない。見積もりの際に、どのような方法で性能を確認しているかを質問し、説明の内容で判断しよう。
- Q. 自宅で使う洗剤でフロアコーティングが剥がれてしまう心配はないか?
- 日常のお手入れでは、中性洗剤を薄めて使うのが基本だ。株式会社M&Mの6製品は、アセトン・メタノール・トルエンを用いた耐溶剤性試験で、膨れ・剥がれ・軟化を認めなかった(試験条件のもとでの結果)。ただし、研磨剤入り洗剤や、強い酸性・アルカリ性の洗剤の使用や長時間の放置は避けてほしい。
- Q. 試験液のアセトンやトルエンが家庭で使われることはあるのか?
- アセトンは、除光液に使われることが多い溶剤だ。マニキュアを落とす際に床にこぼれることもあるだろう。トルエンは家庭で日常的に使われることは少ないものの、塗料用シンナーや接着剤などに含まれることがある。
- Q. まず相談だけしてみたいのですが、費用はかかりますか?
- お見積もりは無料だ。ショールームでの実物確認も受け付けている。まずは気軽に相談してほしい。
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業者を選ぶ際は、日本ハウスコーティング協会(JHCA)への加盟状況も参考になる。施工保証引継制度などの条件は、協会の案内で確認しよう。フロアコートプロを運営する株式会社M&Mは建設業許可(東京都知事 許可(般-6)第150596号)を持ち、ISO 9001:2015(認証範囲:フロアーコーティングの施工、ハウスコーティング剤の開発・販売)の品質管理体制で運営しています。JHCA加盟店No.003です。
記事確認者:フロアコートプロ 施工課
最終更新日:2026年9月17日
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