冷熱繰り返し性能試験とは|試験の条件と床暖房対応の選び方
冷熱繰り返し性能試験について、この記事でわかること
- 冷熱繰り返し性能試験の目的・試験方法・評価基準
- 試験の条件と第三者機関による試験の意味
- 床暖房・直射日光など温度変化に強いコーティングの選び方
- フロアコートプロ6製品の試験結果(一般財団法人 日本塗料検査協会)
- エビデンスを持つ業者と持たない業者の見極め方
マイホームの床を長く美しく保ちたいとお考えの方にとって、フロアコーティング選びで重要な判断材料となるのが「冷熱繰り返し性能試験」です。床暖房・直射日光・エアコンなどによる温度変化は、床材やコーティング層に負荷をかけます。本記事では、冷熱繰り返し性能試験の考え方と、第三者機関の試験報告書の確認方法を解説します。
冷熱繰り返し性能試験とは|試験方法と評価基準の基本

冷熱繰り返し性能試験は、温度変化による塗膜の割れ・剥がれ・膨れを確認する試験で、コーティングを比べる判断材料の一つです。
冷熱繰り返し性能試験とは、フロアコーティングを高温(80℃前後)と低温(-18℃前後)に交互にさらすサイクルを繰り返し、割れ・剥がれ・膨れの有無を評価する耐久性試験です。
そのため、見た目の美しさだけでは判断できない「温度変化への強さ」を、試験の結果として確認できる指標です。冷熱繰り返し性能試験の結果は、コーティングを選ぶときの判断材料として活用できます。
試験の目的|なぜ温度変化への耐久性を確認するのか
住宅の床材は、想像以上に過酷な温度環境にさらされています。夏場の直射日光で表面が高温になることもあれば、冬場の冷え込みで床面が大きく冷却されることもあります。こうした温度変化が繰り返されると、コーティング層は膨張と収縮を繰り返し、その結果、ひび割れや床材からの剥離といった劣化が生じる可能性があります。
つまり、温度変化に対する耐性が不十分なコーティングでは、割れや剥がれにつながるおそれがあります。冷熱繰り返し性能試験は、こうした長期的な劣化リスクを施工前に把握するために実施されます。
試験方法|80℃と-18℃を交互に繰り返すサイクル条件
試験では、恒温恒湿槽と呼ばれる装置を用いて、コーティングを施した試験片を以下のサイクルにさらします。
- 高温条件:80±2℃で2時間
- 低温条件:-18±2℃で2時間
- サイクル数:10回
- 取り出し時の静置条件:23±2℃・50±5%RH
- 基材:木材(150×70×5mm)
このように、夏場と冬場の極端な温度差を短期間で再現することで、長期使用時に起こり得る温度ストレスを集中的に評価する仕組みです。なお、実際の住宅環境ではこれほど急激な温度変化は起こりませんが、過酷な条件で耐久性を確認することで、安全側の評価結果を得られます。
評価基準|割れ・剥がれ・膨れの有無を判定
試験後の評価項目は、以下の3点です。
- 割れ:コーティング層にひび割れが発生していないか
- 剥がれ:床材とコーティングの密着性が保たれているか
- 膨れ:コーティング内部に気泡や浮きが生じていないか
これら3項目すべてに異常が認められなければ「合格」と判定されます。ただし、この結果は規定の試験片と条件での評価であり、すべての使用環境での性能を保証するものではありません。
冷熱繰り返し性能試験の位置づけ|耐久性を比べる指標の一つ

冷熱繰り返し性能試験は、温度変化への耐性を確認する評価項目の一つです。フロアコートプロの6製品の試験は、一般財団法人 日本塗料検査協会 東支部で、依頼者が指定したサイクル条件(80℃で2時間→-18℃で2時間を10回)により行ったもので、JIS規格で定められた試験方法ではありません。
JIS規格の試験との違い
JISとは「Japanese Industrial Standards(日本産業規格)」の略称で、日本の産業製品に関する国家標準を定めたものです。建材分野においては、強度・耐久性・安全性・施工性などの観点から、製品の品質を統一的に評価する基準が設けられています。フロアコートプロでは、耐摩耗性・引っかき硬度・すべり性などはJIS規格に準じた試験で確認していますが、冷熱繰り返し性能試験は依頼者が指定した条件による試験です。試験の規格や条件は、報告書で確認できます。
つまり、「耐久性が高い」という説明だけでなく、試験の規格・機関・条件が示されたデータがあるかどうかを確認すると、商品を比べやすくなります。
他の試験との関係|耐摩耗性・耐水性・促進耐候性能との総合評価
フロアコーティングの性能は、冷熱繰り返し性能試験のみで判断するものではありません。実際には、以下のような複数の試験を組み合わせた総合評価が必要です。
- 耐摩耗性試験:日常の歩行や家具の移動による摩擦への耐性
- 耐水性試験:水濡れに対する膨潤・白化への耐性
- 付着性試験:床材との密着性
- 引っかき硬度試験:表面硬度の指標
- 促進耐候性能試験:紫外線・水分による経年劣化への耐性
- 冷熱繰り返し性能試験:温度変化への耐性
このように、複数の試験データを確認すると、製品の性能を多面的に比べやすくなります。なお、温度変化と紫外線の影響は密接に関連するため、促進耐候性能試験と冷熱繰り返し性能試験の両方の結果を確認しておくと、比べる材料が増えます。
第三者機関による試験が持つ意味
試験を独立した第三者機関が実施すると、試験の条件と結果を客観的に確認しやすくなります。日本国内では、一般財団法人 日本塗料検査協会などの第三者の試験機関が、塗料の試験を行っています。
したがって、業者が提示する試験データは「どの機関が・いつ・どのような条件で実施したか」まで確認することが重要です。発行機関が不明確なデータや、社内試験のみのデータでは、客観性を担保できないからです。
床暖房とフロアコーティング|冷熱繰り返し性能試験を確認したい理由

結論として、床暖房を使うご家庭では、冷熱繰り返し性能試験の結果を確認しておくと安心です。床暖房は床材の温度を周期的に変化させるため、コーティング層に温度変化の負荷がかかるからです。
床暖房環境で床材にかかる温度ストレス
床暖房を使用すると床表面の温度が上がり、暖房を止めると室温まで下がるため、1日のうちに温度の変化が生じます。さらに、季節によっては床暖房を使わない期間との温度差も加わります。
温度変化に弱いコーティングでは、ひび割れが生じると、そこから水分や汚れが入り込むおそれがあります。そのため、床暖房がある場合は、コーティングの温度変化への耐性を確認しておきたいところです。
直射日光・エアコン・季節変動が床に与える負担
床暖房以外にも、住宅内の床材は様々な温度ストレスを受けています。
- 直射日光:南向き・西向きの部屋では、夏場に床表面が高温になることがある
- エアコン:暖房・冷房のオン/オフによる急激な室温変化
- 季節変動:夏冬の温度差が床材の伸縮を引き起こす
- 窓際の冷気:冬季の結露や冷え込みが床面に影響
このように、床暖房を使用しないご家庭でも、床材は日常的に温度変化のストレスにさらされています。そのため、冷熱繰り返し性能試験のエビデンスは、床暖房の有無を問わず確認しておきたい指標です。
冷熱繰り返し性能試験の結果は床暖房を検討するときの判断材料になる
第三者機関の冷熱繰り返し性能試験で「割れ・剥がれ・膨れなし」と判定された製品は、80℃と-18℃の温度サイクルを10回繰り返す条件で異常が見られなかったことになります。床暖房を検討するときの判断材料の一つですが、実際の使用条件や床材の仕様によって状況は変わるため、床材メーカーの仕様とあわせて確認してください。
床暖房使用時に確認したい3つのチェックポイント
床暖房環境でフロアコーティングを検討する際、業者に以下の3点を確認してください。
- 冷熱繰り返し性能試験のエビデンス(試験報告書)を提示できるか
- 使用するコーティング製品の床暖房対応の可否
- 床材メーカーが指定する床暖房用フローリングの仕様への適合
これらを確認しておくと、床暖房のある住まいでもコーティングを選びやすくなります。
フロアコートプロ6製品の冷熱繰り返し性能試験エビデンス|全製品「異常なし」

フロアコートプロでは、取り扱う全6製品について第三者機関による冷熱繰り返し性能試験を実施し、すべての製品で「割れ・剥がれ及び膨れを認めない」という結果を取得しています。
試験機関|一般財団法人 日本塗料検査協会 東支部
試験を実施したのは、塗料・塗膜の性能評価を専門とする一般財団法人 日本塗料検査協会 東支部です。所在地は神奈川県藤沢市宮前636-3。塗料の試験・検査を行う第三者機関です。
このように、自社内ではなく独立した第三者機関による試験結果であることが、エビデンスとしての信頼性を高めています。
試験対象6製品と試験結果
試験条件は全製品共通で、サイクル条件「80±2℃で2時間 → -18±2℃で2時間」を10回繰り返し、割れ・剥がれ・膨れの有無を評価しています。基材は木材(150×70×5mm)です。
| 試験対象製品 | 試験結果 | 報告日 |
|---|---|---|
| セラミックガラスコーティング | 割れ・剥がれ・膨れを認めない | 平成31年1月10日 |
| Mガラスコーティング | 割れ・剥がれ・膨れを認めない | 平成31年1月17日 |
| Mシリコンコーティング | 割れ・剥がれ・膨れを認めない | 平成31年1月17日 |
| M水性フロアコーティング | 割れ・剥がれ・膨れを認めない | 2021年10月21日 |
| M水性UVフロアコーティング | 割れ・剥がれ・膨れを認めない | 2023年10月16日 |
| ワン・ニャンすべらん | 割れ・剥がれ・膨れを認めない | 2023年12月14日 |
このように、6製品すべてが冷熱繰り返し性能試験で異常なしと判定されています。床暖房をご利用のご家庭、日当たりの良いリビングをお持ちのご家庭でも、いずれの製品も、この試験条件での結果を確認いただけます。
他エビデンスとの総合評価
フロアコートプロでは、冷熱繰り返し性能試験以外にも、耐摩耗性試験・付着性試験・引っかき硬度試験・耐水性試験・VOC13物質試験・耐衝撃性試験・促進耐候性能試験・耐薬品性試験など、複数の試験の結果を公開しています。詳しくはエビデンス7項目を解説した記事でも紹介しているとおり、複数の試験データをあわせて確認すると、製品を比べやすくなります。
また、ホルムアルデヒド放散等級のF☆☆☆☆(フォースター)やSIAAマークについては、対象となる製品と区分を確認することが大切です。各製品の性能詳細は品質・性能・機能ページをご覧ください。
実際の施工前後の変化は施工実績ページでご確認いただけます。詳しい仕様や費用については無料見積もりフォームからお問い合わせください。
エビデンスありとなしの業者の違い|施工前に確認すべき書類

試験データの有無は、業者を比べる材料の一つです。第三者機関の試験報告書があれば、性能の根拠を書面で確認できます。
冷熱繰り返し性能試験の報告書で確認する内容
冷熱繰り返し性能試験のデータを確認したいときは、試験報告書の内容を見せてもらいましょう。報告書には、試験機関名・依頼番号・報告日・試験条件・試験結果が明記されており、誰がいつどのような条件で評価したかが客観的に確認できます。
試験の機関・条件・結果が書面で示されていると、説明の根拠を確かめやすくなります。
試験データを確認できない場合の注意点
一方、試験データを確認できない場合は、次の点に注意が必要です。
- 性能の根拠を書面で確かめられない
- 説明の根拠が伝聞にとどまる場合がある
- 施工後に不具合が起きたとき、原因を確かめる材料が少ない
- 保証の内容と条件は、別に書面で確認する必要がある
このように、試験データを確認できない場合は、施工後に不具合が起きたときに原因を確かめにくくなります。見積もりの段階で、試験データの有無と内容を質問しておきましょう。
業者に確認すべき4つの書類
失敗しない業者選びのために、以下の4つの書類の提示を業者にお願いしてください。
| 確認書類 | 確認すべき内容 | 確認のしかた | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 第三者機関の試験報告書 | 機関名・試験条件・結果 | 報告書の写しを見せてもらう | 機関名や条件が書かれていない資料は、根拠を質問する |
| 保証書(雛形) | 保証期間・対象範囲・保証条件 | 書面で確認する | 口頭の説明だけで判断しない |
| 建設業許可証 | 許可の種類・許可番号 | 許可番号を確認する | 請負代金の額によっては、建設業許可が必要になる |
| JHCA加盟証明 | 加盟店であるか | 加盟店番号を確認する | 保証引継制度などの条件は、協会の案内で確認する |
JHCA加盟店としての保証引継制度
フロアコートプロは日本ハウスコーティング協会(JHCA)の加盟店です。JHCAの保証引継制度については、適用の条件を協会の案内で確認してください。フロアコートプロの施工品質保証は、セラミックガラス・ワンニャンすべらんが30年、シリコン・ガラス・UVが20年、水性ウレタンが10年です(保証年数は耐用年数ではありません)。保証内容の詳細については保証内容ページでご確認いただけます。
冷熱繰り返し性能試験で見落とされがちな注意点・向かないケース

冷熱繰り返し性能試験のエビデンスがあっても、施工の条件によっては性能を発揮できない場合があります。注意点をまとめます。
試験合格=すべての床材で同じ性能ではない
冷熱繰り返し性能試験は、規定の試験片(木材150×70×5mm)を用いて実施されます。一方、実際の住宅では、複合フローリング・無垢材・クッションフロア・コルクフローリングなど、多様な床材が使われています。床材自体の温度変化への挙動が異なるため、試験合格製品であっても、すべての床材で同等の性能が保証されるわけではありません。
したがって、特殊な床材をお使いの場合は、施工前に必ず業者に対応可否を確認してください。
施工不良があれば試験データの意味は失われる
製品自体が冷熱繰り返し性能試験に合格していても、施工時の下地処理や塗布量・乾燥条件が不適切であれば、密着性が低下し、温度変化で剥離が生じる可能性があります。つまり、試験結果は製品を規定の条件で評価したものであり、実際の仕上がりには施工の品質も関わります。
そのため、施工の管理体制や下地処理の方法も、業者に確認しておきましょう。
床暖房の極端な高温設定・下地状態による制約
床暖房は、床材メーカーが示す使用条件の範囲で使うことが前提です。極端な高温運転を続けると、床材自体の反りや膨張が生じる可能性があります。なお、下地が合板でなく既存の老朽化した床材の場合は、下地補修や場合によってはフロアサンディング(床研磨)による下地処理が必要になることもあります。
このように、製品性能だけでなく現場環境を含めた総合判断が、長期耐久性を実現するうえで欠かせません。

冷熱繰り返し性能試験のよくある質問
- Q. 冷熱繰り返し性能試験って何を調べる試験ですか?
- 温度変化への耐久性を確認します。具体的には、80℃の高温と-18℃の低温に交互にさらすサイクルを10回繰り返し、コーティングに割れ・剥がれ・膨れが発生しないかを第三者機関が評価する試験です。
- Q. フロアコーティングを床暖房の上に施工しても大丈夫ですか?
- 床暖房への対応は、コーティングの製品と床材の仕様によって異なります。フロアコートプロの全6製品は、冷熱繰り返し性能試験で「異常なし」と判定されました。床暖房用フローリングの仕様への適合は、施工前に確認します。
- Q. 試験のエビデンスは業者選びでどう役立ちますか?
- 試験データの有無は、業者を比べる材料の一つです。第三者機関の試験報告書を確認できると、性能の根拠を書面で比べられます。見積もりの段階で、試験データの有無を質問しておきましょう。
- Q. 冷熱繰り返し性能試験の費用はかかりますか?
- お客様の負担はありません。試験はメーカーや施工業者が事前に実施するもので、試験報告書の内容を確認したい場合は、お問い合わせの際にご相談ください。
- Q. 試験に合格したコーティングは保証も長くなりますか?
- 直接連動するわけではありません。試験の結果は性能を比べる材料で、保証年数は保証の条件によって決まります。フロアコートプロの施工品質保証は、セラミックガラス・ワンニャンすべらんが30年、シリコン・ガラス・UVが20年、水性ウレタンが10年です(保証年数は耐用年数ではありません)。
- Q. 試験の対象外になる床材はありますか?
- 一部の床材は要相談です。クッションフロア・コルクフローリング・タイル・大理石などは、床材自体の特性によって対応可否が異なります。また、特殊な無垢材も樹種によって相性があるため、施工前に必ず業者にご相談ください。
- Q. まず相談だけしてみたいのですが、費用はかかりますか?
- お見積もりは無料です。ショールームでの実物確認も受け付けています。まずはお気軽にご連絡ください。
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