木のささくれは床材で直し方が変わる|研磨とコーティングの役割
木のささくれが床に出て、どう直せばよいか迷っているご家庭や保育施設の方に向けた記事です。そこで、床材ごとに変わる直し方と、研磨やフロアコーティングでできることを、当社の研磨事例とメーカーの資料をもとに整理します。
結論:木のささくれの直し方は、床材で変わります。無垢は研磨で整えられ、挽き板は表面の無垢層の厚みによっては研磨できます。一方で、表面が薄い突板やシートは研磨できません。また、研磨後は塗膜で覆い直し、当社製品6種の耐摩耗減量は同一条件で14~103mgです。
この記事でわかること
- 床材ごとの直し方の違いと、研磨できる床・できない床
- 自分で直せる範囲と、相談したほうがよい状態
- フロアコーティングで直ること・防げること・防げないこと
木のささくれとは、床のどんな状態ですか?
木のささくれとは、木の表面の繊維が裂けて浮き上がった状態です。床では素足や靴下が引っかかり、掃除の布も引っかかりやすくなります。ただし、同じ「ささくれ」に見えても、床材によって起きていることが違います。
床材で変わる木のささくれの見え方
無垢や挽き板では、木の繊維そのものが浮きます。一方で、突板は表面の薄い木が割れたり、めくれたりします。さらに、シートの床は木目を印刷したシートがめくれる状態で、木の繊維ではありません。そのため、直し方を決める前に床材を確かめることが大切です。
床に木のささくれが起きるのはなぜですか?
主な原因は、乾燥と湿気による木の伸び縮み、日差しや摩擦による塗装の劣化、水分の入り込みです。これらが重なると、表面の塗装が割れ、その下の木が傷みます。なお、原因ごとの対処は床のささくれを補修する手順とDIYの限界で詳しく解説しています。
たとえば、無垢フローリングは湿度の変化で膨張と収縮を起こします(DAIKEN REFORM MAGAZINE)。また、住宅産業協議会は、窓際の直射日光で塗装が劣化し、表面がささくれると説明しています。さらに、水に濡れた状態が長く続くと、表面の剥がれにつながります(住宅産業協議会のメンテナンス技術ガイド)。
木のささくれの直し方は床材によって違いますか?
違います。分かれ目は、表面を研磨で削り直せるかどうかです。つまり、無垢は研磨でき、挽き板は表面の無垢層の厚みによっては研磨できます。しかし、表面が薄い突板とシートは研磨の対象外です。
床材ごとの直し方の比較表
| 床材 | 表面のつくり | 研磨 | 主な直し方 |
|---|---|---|---|
| 無垢 | 一枚の木(単層) | できる。ただし削れる回数に限りがある | 部分補修、または研磨して塗り直す |
| 挽き板 | 2~3mmほどの木を基材に貼る | 表面の無垢層の厚みによってはできる | 研磨できれば無垢と同じ。できなければ部分補修 |
| 突板 | 0.2~1mmほどの木を基材に貼る | できない。削ると下地が出る | 部分補修。また、全体に広がれば張り替え |
| シート | 木目を印刷したシートを基材に貼る | できない | 部分補修。また、全体に広がれば張り替え |
研磨で削る厚みと床材の表面の厚み
当社の研磨は、最初の粗掛けで表面を約0.8mm削ります(フローリング研磨再生のサービス案内)。そのため、表面の木が0.2~1mmほどの突板では、削ると下地が出てしまいます。一方で、挽き板は製品ごとに無垢層の厚みが違い、研磨できる回数にも限りがあります。したがって、挽き板は現地調査で厚みを確かめてから判断します。

自宅の床材を確かめる方法
まず、住宅の取扱説明書や床材の品番から、床材の種類を確認します。次に、品番が分からない場合は、現地調査で表面の状態を見て判断します。なお、床材ごとのコーティングの選び方は床材で比べるフロアコーティングの種類にまとめています。
木のささくれは自分で直せますか?
小さな範囲なら、自分で直せる場合があります。住宅産業協議会も、部分的なささくれは補修でき、全体に広がった場合は張り替えが必要と案内しています。ただし、塗装された床を紙やすりで削ると、周りの塗膜まで削れてしまいます。
そのため、範囲が広い場合や、突板・シートの床は、自分で削らずに相談するのが安全です。また、無垢の床でDIYできる範囲は無垢床の補修でDIYできる範囲と床研磨の選び方で紹介しています。
木のささくれがある床は、フロアコーティングで直りますか?
フロアコーティングだけでは直りません。なぜなら、塗膜は浮いた繊維を平らに戻すものではないからです。そこで当社では、補修や研磨で表面を整えてから塗膜を作ります。
研磨から塗膜で仕上げるまでの流れ
当社の研磨は、粗掛け・中掛け・仕上げ掛けの3段階です。その後、水性ウレタン樹脂を3回に分けて塗ります。さらに、2回目と3回目の間で、塗り重ねの間に出た細かな毛羽立ちを削り取ります。なお、仕上げは床材の状態やご希望で変わるため、現地調査でご案内します。

当社の研磨事例37件で見る施工場所
当社の施工事例のうち、研磨に分類された事例は37件です(2026年9月19日時点)。内訳は、保育施設16件、ご入居中の戸建て11件、中古マンション4件、店舗・オフィスなど5件、要確認1件でした。また、37件中25件は研磨とあわせてコーティングを施工し、そのうち22件が水性ウレタンコーティングです。
たとえば、東京都墨田区の保育施設の事例(2026年2月)と、東京都渋谷区の中古マンションの事例(2026年9月)が該当します。どちらも研磨と水性ウレタンコーティングを施工しました。ただし、事例ページに研磨の理由は書かれていないため、ささくれの補修だったかは分かりません。
自宅や施設の床が研磨できるか分からない方は、床材の品番とささくれの範囲をお知らせください。現地調査で、研磨できるかどうかと仕上げの方法をご提案します。
コーティングで木のささくれは防げますか?
条件付きで、起きにくくできます。つまり、塗膜が木の表面を覆うため、歩行や掃除の摩擦が木に直接かかりにくくなります。しかし、塗膜もすり減るため、ささくれが起きなくなるわけではありません。
また、鋭いものによる傷や、重い家具の引きずりには対応しません。さらに、湿度の変化による木の伸び縮みは、塗膜では止められません。
塗膜の減りにくさを試験値で比べる
同一条件の耐摩耗性試験では、耐摩耗減量がセラミックガラス14mg、Mガラス28mg、Mシリコン45mg、M水性UV68mg、ワンニャンすべらん78mg、M水性フロア103mgでした(株式会社M&M製品の試験結果)。なお、試験の条件は耐摩耗性試験の条件と結果の解説で確認できます。
| 製品 | 耐摩耗減量 | 引っかき硬度(JIS規格) |
|---|---|---|
| セラミックガラス | 14mg | 6H |
| Mガラス | 28mg | 6H |
| Mシリコン | 45mg | 4H |
| M水性UV | 68mg | 4H |
| ワンニャンすべらん | 78mg | 6H |
| M水性フロア | 103mg | HB |
ただし、数値が小さい製品が、どの床にも向くわけではありません。たとえば、光沢の好みや床材の種類によって、選べる製品が変わります。そのため、製品は床材と下地の状態を確かめてから決めます。
日常の手入れと日差し・水への対策
まず、こぼした水はすぐに拭き取ります。次に、窓際の直射日光はカーテンで遮ると効果的です(住宅産業協議会)。さらに、椅子の脚には保護材を付け、引きずりを減らします。なお、コーティング後のお手入れはコーティングした床のお手入れ方法で解説しています。
木のささくれを直す前に確認したいこと
研磨が向くかどうかは、床材と傷みの範囲で決まります。そこで、依頼の前に次の3点を確かめてください。
- 研磨が向く床:無垢の床、または傷みが広い範囲に及ぶ床。さらに、素足で過ごす保育施設の床も当てはまります
- 研磨が向かない床:突板やシートの床。また、研磨を繰り返して表面が薄くなった床も向きません
- 現地で確認する条件:挽き板の無垢層の厚み、厚く残ったワックス。なお、ウレタンの塗膜で無垢の質感が変わる場合もあります
とくに施設では、営業時間や動線に合わせて施工範囲を分けられます。そのため、施工の時期と範囲も現地調査でご相談ください。
木のささくれに関するよくある質問
- Q:木のささくれにワックスを塗れば直りますか?
- A:ワックスの膜は床を保護しますが、浮いた木の繊維を平らに戻すことはできないため、木のささくれは補修や研磨で整えます。また、当社のコーティングを施工した床では、製品指定のお手入れ方法でワックスがけを行いません。
- Q:木のささくれを放っておくとどうなりますか?
- A:住宅産業協議会によると、塗装面の細かいひび割れを放置すると、フローリング本体のひび割れへ進みます。そのため、木のささくれは範囲が小さいうちに補修するのがおすすめです。
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